読了
Wizardryと
TRPGと料理が好きな自分には最高の一冊。中でも、クラーケン(巨大
イカ)を仕留める際に、ファンタ
ジー魔法の設定と料理の知識を活かして戦うシーンが最高でした! 序盤で別れて再登場した元パーティメンバーの女
ドワーフ「ナマリ」の名前には、なにか謂れがあるのでしょうか(
Wizardry外伝 #1に、
ドワーフ専用防具の「ナマリのこて」がでてきたので)。
火星の人(アンディ・ウィアー)上下巻
映画「オデッセイ」の原作にして、傑作ハードSF。有人火星探査計画中にたった一人で火星に取り残され、地球に帰還するためのものが何もない(と思える)ところから、現代でも実現可能な科学と植物学の知識で生き延びるためのプロセスが最高です。語り口も軽妙で、ハードSF特有の硬く読みづらい説明も、主人公の手記という形で平易で俗っぽく、時にはジョークを交えて解説した試みは素晴らしいの一言でした。
平易で読みやすい文体の中に、ユーモアと「情景のわかりやすさ」が同居していて、飽き性の自分でも驚くほど短時間で全巻読了。アニメ版から入って原作に興味を持ったのですが、読後感のよさを映像脚本に起こすというのは並大抵の努力ではないのだろうなあ。という別の発見もあり、非常に勉強になる本でもありました。
脚本つきのドラマCD。本文単体でもきちんとした読み物になっていて、ドラマCDで本文を声優さんが朗読してくれるというもの。要するに家庭で楽しめる朗読劇なのですが、特に
小山力也さんの低音ボイスが渋くハマっていて、読後感も聴き心地もよかったです。
私と悪魔の100の問答(上遠野浩平)
セカイ系を下地にした心理学の本。上遠野サーガのひとつとして読むと肩透かしをくらうかもしれませんが、心理学に触れるなら「
マンガで分かる心療内科」の次くらいに取っつきやすいと思います。ただ、やはり上遠野先生の著作はそれ単体ではやや把握しづらいので、いろいろな意味で上級者向けとも言えるのではないでしょうか。
戦地調停士シリーズの第六作。これまでのファンタ
ジーを題材にした「事件」「ミステリー」としてはやや消化不良気味に感じたものの、世界観設定の根幹に関わる重要なストーリーを、人間心理学を上手く用いて書かれており、とても読み応えがありました。シリーズ第一作の
殺竜事件を読んだのは20代前半の頃だったので、本作に触れて今一度読み返してみたくなりました。
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